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小論文は作文と違う!書き方のポイントを押さえれば意外と簡単

更新日:2022/03/29 公開日:2022/03/08

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小論文は必ずしも大学受験にだけ課されるものではありません。高校入試でも大学受験のような小論文を課すところもあり、志望校の受験に小論文が必要となった場合には、しっかり対策を取ることが必要です。ただし、小論文の対策が必要といわれても、そもそも作文との違いや正しい書き方もわからず悩んでいる人もいることでしょう。そこで、この記事では、小論文と作文の違いや、具体的な書き方について詳しく解説します。

1.小論文と作文では何が違うのか

小論文と作文の違いは、「書き方が客観的か主観的か」です。作文は、実際に自分が経験したり感じたりした体験や感想を書きます。他の人がどのような見方をし、感じているかは関係なく、あくまでも書き手本人が感じたことを書くことがポイントです。そのため、作文では、物事をとらえるときの感性の豊かさや表現力の高さが書き手に問われます。一方、小論文は、特定のテーマに対して論理的に文章を書いたものです。小論文も作文と同じように自分の考えなどを述べますが、あくまでも客観性のある書き方をしなければなりません。読み手が納得できるよう、理論的に筋道を立てて自分の意見を書く必要があります。そのため、小論文では、出題者が書き手に対して何を求めているかをしっかりつかめているか、書いた文章に論理的思考力や説得力の高さがどれほど見られるかが問われます。

さらに、小論文と作文には、このような特徴の違いがあるため、それに応じて書き方の基本的なルールが変わることも知っておかなければなりません。作文は読みやすい文章であれば、自由に書くことが可能です。書く内容や書き方に制限がないため、文学的表現などを使うことにも問題はなく、自分の思ったままに文章を書けます。対して、小論文には書き方に決まった基本の型があるため、それに組み込むように書き進めていくことが通常です。課されたテーマや問いを理解したら、読み手が納得できるように論拠や理由を挙げながら、型に合わせて自分なりの意見を文章にまとめます。作文で認められているような文学的表現は使用しません。

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2.合格レベルの小論文を書くために必要な力とは?

小論文を合格ラインに達するように完成させるためには大きく4つの力が必要となります。1つ目は、設問や資料から出題者の意図や要点を正しく見抜き、把握できる「読解力」です。文章や資料を見てすぐにわかるような表面的なことだけではなく、その裏に隠されている深い意味までしっかりくみ取れる力が求められます。2つ目は、資料などを見たときに自分の考えに固執せず、さまざまな考え方や視点から資料の内容に疑問を感じられる「発想力」です。読み手となる第三者が文章を読んで疑問に感じるような問いを自分なりに推測し、読み手が理解しやすくなる具体例や文章作りのアイデアを思いつく力が重要となります。

3つ目は、自分の意見やその意見を出すに至った根拠について筋道を立てて文章を組み立てられる「論理的思考力」です。発想力を使って導いた意見や具体例などを、第三者が読んでもわかりやすいように文章を構成し、相手を納得させられる文章で表現する力が求められます。4つ目は、自分の意見や考えを誰が見てもわかりやすく伝えられる「表現力」です。表現力には、接続詞などの正しい使い方、テーマに合った言葉選びなども含まれます。これらの4つの力を養うためには、自身による経験やさまざまな知識の習得が必要です。知識とは、たとえば、各教科の学習や社会で起きた出来事から得るもの、志望している学問に関することなどを指します。

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3.小論文で求められる意見とは?

小論文では、次の3つのポイントを押さえて意見を書くことが大切です。1つ目は、書き手の持論や思想を書かないことで、そもそも意見は自分の個人的な思いを表す感想とは意味が違うことを理解しておかなければなりません。意見とは、自分の主観的な気持ちではなく、論理にかなった説明とともに主張できる考えを意味します。2つ目として、理屈にあった根拠に基づいた意見を書くことも大事です。1つ目のポイントとつながりますが、小論文に書く内容は自分の個人的な感情や感覚に基づく考えであってはなりません。世間一般の人に向けて主張したときに有益な内容の意見である必要があります。

3つ目として、小論文で問われる意見の対象には3つの種類があるため、どれに対して意見を書くことが適しているかをしっかり見極めることも大切です。3つの種類とは、行動、事実、価値で、特に出題の際に指定がなければ、行動についての意見が最も書きやすくなります。事実に対する意見は、裏付けとして資料などの提示が必要となることが一般的ですが、試験の際に資料集めをすることは難しいからです。また、価値に対する意見は、そもそも価値観が個人差の生じやすいものであるため、小論文には不向きとされています。

さらに、小論文を書く際には、これらのポイントを押さえた意見に対して、次の4つのいずれか、あるいはいくつかを組み合わせた方法で論じることも必要です。1つ目は述べた意見に対して問題を見つけ、どのような問題があるかを具体的に指摘する方法が挙げられます。2つ目は問題の因果関係などを明らかにする分析を行う方法、3つ目は問題の解決につながる対策案や現実的な解決策を示す方法です。さらに、4つ目として問題に対する意見がどれほどの価値や重要性を持ち、希望や可能性があるかを示す方法もあります。

ただし、テーマが社会問題の場合には、受験生が試験中に現実的な対策になり得るような意見を書くことは簡単ではありません。そのため、問題を見つけたり指摘したりする内容を意見として書くだけでも小論文として成立します。

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4.小論文は構成が大事

ここでは、読み手が理解しやすい小論文にするために大切な「構成」について解説します。

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4-1.基本の三段構成

小論文の構成の基本型は三段構成です。三段構成では、序論から始まり、本論、結論と大きく3つのステップで話を進めていきます。序論とは、本論への導入として、自分が伝えたい意見や話の論点を簡単に紹介する部分です。全体の5%くらいの文字数になるように記述します。文字数としては少ないものの、小論文の方向性を明確にする必要不可欠な部分です。また、書き手が何に着目し、どのような問題意識を持っているかなどについて、これから本論へと読み進めていく人に対してアピールできる重要な部分でもあります。

続く本論は、全体の80%の文字数を占める、小論文のメインとなる部分です。序論で示した意見を主張する理由について、証拠や自分なりの考察などを示しながら具体的に書いていきます。説得力を高めるためには、ただ、自分が主張する意見を正論であると述べるだけではなく、一度一般的な反論を挙げたうえで、その反論を覆す論拠を挙げる方法が有効です。そして、本論が終わったら、最後に書き手の意見をまとめたうえで改めて示す結論を書きます。字数は全体の15%が目安です。ただし、序論と本論で字数が足りている場合には、結論を省いても問題はありません。本論で終わらせる場合、結論で書くような意見を序論で書くのも方法です。

4-2.応用の三段構成

基本の「序論→本論→結論」の三段構成に少し変化を付けた応用型構成で書く方法もあります。ここでは、応用型構成の3つの例を紹介するので参考にしてください。1つ目は、主張を強める「主張力アピール型」です。序論で自分が伝えたい意見を書き、本論で意見の主張における理由や分析を示すことは基本型と変わりはありませんが、結論で本論での理由などを受けた自分の意見を再度しっかり訴えておく点に特徴があります。文字数のバランスは序論が20%、本論が50%、結論が30%の割合です。

2つ目は、自分が現状分析していることを小論文の書き出しとなる序論で示すことにより、思考力の高さをアピールする「思考力アピール型」です。序論で資料などから出した現状分析を述べ、本論で序論での分析により明らかにした問題点を述べます。さらに、結論で述べるのは問題点の解決策につながる意見です。文字数は序論が45%、本論が25%、結論が30%を目安とします。

3つ目は、資料文に対する理解度の高さをアピールする「読解力アピール型」です。小論文の書き出しとなる序論に資料文の要約を書く点がポイントとなります。続く本論に書くのは、序論で書いた資料文への理解を元にどのような分析をしたかについてです。そして、結論では、本論での分析から自分が考えた意見を書きます。文字数は序論30%、本論35%、結論35%が目安です。

4-3.構成メモの作成

小論文は三段落構成で書くと話がまとまりやすくなります。ただし、頭に思い浮かんだままに書き進めると、途中で論点がずれてしまったり、各段落における文字数のバランスが悪くなってしまったりしやすいため、気を付けなければなりません。一貫性のある内容かつ段落ごとの文字数がアンバランスとならない出来上がりにするためには、書き出す前に、全体の見取り図となる構成メモを作る方法が有効です。構成メモの作成時に、書いておきたい内容が含まれているか、テーマや論点に対する食い違いがないかをしっかり確認しておけば、小論文を書くときに大幅な書き直しなどをせずに済みます。構成メモの作成は、書き直しによる時間の無駄遣いを防げるだけではなく、話の大まかな核ができているためスムーズに文章を作るのにも役立つ方法です。

ちなみに、構成メモのチェックポイントは具体的に3つあります。1つ目が主張している意見と出題者が設問の答えとして求めているものがずれていないか、2つ目は主張する意見の裏付けとなる論拠があるかです。3つ目として、具体例が意見の主張を支える明確な理由となっているかも重要となります。

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5.小論文を書くときの流れ

小論文の出題形式には、資料となる文や図表が付いた「資料小論文」と、設問だけが提示された「課題小論文」の2種類があります。いずれの形式で出題された場合でも、まずは設問をしっかり読み、書く上で守らなければならないルールや出題者が求めていることを漏れなく正確に読み取ることが大切です。守らなければならないルールとは、たとえば、文字数やキーワード、具体例の記載の有無などで、条件を満たしていないと減点されることが通常であるため、注意しなければなりません。

また、資料小論文が出題された場合には、設問の読み取りの後に資料を見ます。文章には書かれていない資料だけが表しているものを客観的な観点から読み解くことがポイントです。設問を理解し資料を読み取ったら、それを元に自分の意見をまとめ、その意見を主張できる論拠を見つけます。続けて、意見や論拠をどのように書いていくかを考えたら、具体的な文章構成や説得できる文章の書き方を決め、実際に文章化していきます。小論文の試験で時間切れとならないようにするためには、書き上げるまでにこれらのステップを踏むことを考慮し、各ステップの時間配分を事前にしておくことが大事です。

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6.知っておきたい小論文の評価基準

小論文の評価には主に2つの基準があります。

6-1.表記や表現に関する評価の基準

小論文には表記や表現に関する基本のルールがあり、それを守っているかは評価の基準となります。まず、文章の終わりを「だ・である」にすることが基本です。「だ・である」で統一せず、「です・ます」で終わる文章があると少ないながらも減点の対象となります。また、誤字、脱字、漢字の間違い、話し言葉や略語の使用も減点です。日常会話で使われやすい「ら抜き言葉」も小さいとはいえ減点されるため注意しましょう。さらに、主語と述語が正しく使われているかもチェックされます。主語が抜けてしまっていたり、文章が長すぎて述語に対する主語がわかりにくかったりする文章は減点対象です。表現力不足として大幅に減点される場合もあります。そのほか、原稿用紙の使い方や指定外の内容の記述も小さいとはいえ、減点される可能性があるため気を付けなければなりません。

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6-2.全体的な評価の基準

小論文を全体的に見たときに評価の基準となるものとして、まず挙げられるのが設問の趣旨に書かれた内容となっているかです。出題者が求めている内容が不足している文章や論点がずれているものは大きく減点される可能性があります。また、統一性のある意見かどうかもチェックされるポイントです。一般論なのか書き手の意見なのかが不明確なものや、書き手の主張内容がはっきりしていないものなどは大幅に減点される場合もあるため気を付けなければなりません。道理に外れた乱暴な意見も論文にふさわしくないとして大きく減点されます。

さらに、全体の構成が正しく明確に行われていて、段落分けがしっかり活かされているかも評価の際にチェックされるポイントです。特に、序論は文章全体のカギとなる段落のため、段落の役割が不明瞭だと大きく減点されやすい傾向にあります。加えて、主張の根拠となる統計データや客観性のある事実、反論が盛り込まれていない場合も、説得力がない論文と評価されるため大幅減点の対象です。そのほか、一般的な社会常識や基本的な教養、その学部の受験生であれば通常知っていることが理解できていないと思われる文章や意見も減点対象となります。

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7.解答文字数についての決まりごとは?

小論文を書く際に、適切な文字数がわからず悩む人もいることでしょう。適切な文字数は、設問での条件により変わります。たとえば、上限文字数が指定されている場合は、できれば上限文字数の9割以上、最低でも8割以上で書くことが必要です。文字数に上限を決めている場合、文章を文字数内で上手にまとめられるかも評価基準としていることが通常だからです。よってこの場合は、1文字でも上限文字数を超えていると減点か失格に、反対に文字数が少なすぎても評価が落ち、減点あるいは最悪の場合だと採点の対象外となります。

また、最低文字数と上限文字数のいずれも指定されている場合には、条件の文字数内に納めれば採点の対象です。ただし、上限数に近い文字数で上手にまとめたほうが、評価が良くなる傾向にあります。一方、「程度」「前後」のように明確な指示がない場合には基準の文字数の50文字前後を目安としましょう。たとえば、800文字前後と指示があったら750~850文字で書くようにします。反対に、字数制限がまったくない場合は字数による減点や失格の基準はありません。ただし、課題や資料の内容、制限時間などから、充実した文章が作れる文字数を自身で大まかに決める必要があります。

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執筆者:スクールIE コラム編集部

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